今週の見どころ 市場のリスク許容度ー欧州発の新たなリスクも


先週からの流れ


先週は根強い中国景気減速懸念、原油価格下落に加え、欧州の金融機関の信用不安という新たなリスク要因が強く意識されたこともあり、株式市場が軟調な推移となり、リスク回避色の強い相場となりました。また、一方でイエレン議長のハト派的な議会証言により、冴えないGDPやISM景況指数、製造業の低迷などで徐々に意識され始めていた米国景気減速懸念への意識が強まり、米ドルは上値の重い動きが続きました。
先週の通貨の強弱を見ると円、スイスフラン、ユーロといったリスク回避時に先行されやすい通貨が強い推移となり、ドルは軟調、ポンドを含む資源国通貨は資源価格の下落とドル売りの綱引き状態となり、方向感を欠く動きとなっていることが確認できます。

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市場のリスク許容度の強弱


今週は先週に続き、市場のリスク許容度に左右される相場が続きそうな気配がしています。これまでの中国の景気減速、原油価格下落といったネガティブ材料に加え、欧州の金融機関の信用不安という重いネガティブ材料が加わったことで市場のリスク許容度の低い状態はまだしばらく続くことが想定され、為替相場でもリスク回避の動きが強まる状態が続く可能性があります。
本格的に欧州の金融機関の信用不安が続くようであれば、ユーロの反応に注目したいところです。昨今ではリスク回避=円、ユーロ、スイスフランが買われる通貨となっていますが、震源地が欧州となるとユーロ売りでの反応となる可能性も考えられます。そのため、しっかりとテクニカル的な根拠が出てくるまでは円の方がリスク回避時には選好されやすいかもしれません。
ただし、円にも下落が進むようであれば介入観測、本日発表されたGDPが冴えない結果となったことで追加緩和観測が強まることが想定されるなど、神経質な動きとなる要素もあるため、お取引の際は細心の注意が必要です。


米国景気減速懸念の行方


先週は冴えない米国GDP、ISM景況指数、製造業関連の経済指標で徐々に意識されていた米国景気悲観論がハト派なイエレン議長の議会証言をきっかけに強まりました。その後は小売売上が底堅い結果となったことで過度な悲観論は後退したものの、不透明感は残っている状態と考えられます。
今週は米国で住宅関連、製造業関連の経済指標の発表が予定されています。住宅関連が底堅さを見せると先週の小売売上と併せて、米国の消費の強さが意識され、ドル買い材料となることが想定されます。また、市場は弱いと思っている製造業が市場予想を上回るような結果となっても、普段より反応が大きくなる可能性が挙げられます。


EU首脳会議


EU首脳会議にて、英国がEU残留のために重要な改革案の合意が行われるかどうかに注目が集まります。移民の社会保障の制限に関してなど加盟国の反対が強い状態ということもあり、今回の会合で合意に至る可能性はそれほど高くはないかもしれませんが、合意に至るようであればサプライズとなり、英国のEU離脱の可能性が低下し、ポンド買いでの反応となることが予想されます。また、ユーロに関しても好材料と考えられ、ユーロにもインパクトがそれなりにあると考えられます。


先週の注目通貨ペアのその後


先週の注目通貨ペアに挙げた豪ドルは方向感の薄い推移が続くなか、底堅さを見せる動きとなりました。筆者は0.7を再度割り込むような動きとなれば、下落が勢い付くと読んでいましたが、割り込んだところが底値となり、跳ね返す動きが続いています。

先週設定したルールでは0.7を時間足で割り込んだところで売りとしていたため、赤の矢印のところで売ったことになり、最悪の安値掴みとなってしまっています。ストップは序盤の反発の高値(黄色の点線)の少し上としていたので20-30pips離したところとなり赤の点線付近でした。20pipsで設定していたら損切り、30ならなんとか含み損を抱え、生き残っているといったところですが、いずれにせよ、負けです。

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今回は読みが外れてしまいましたが、豪ドルの動きを時間足で見ていると、エントリーのタイミングに問題があったことが確認できます。

まずは0.7を割り込んだ長い陰線に注目です。節目と考えられるラインを割り込む際に、長い陰線で一回もリバウンドせずに割れてしまうような場合は要注意です。しかも割り込んだ足に長めのヒゲが付いているような時はさらに危険度がアップします。よほどの売り材料でもない限り、短期的に力を出し尽くしてしまい、伸びきった状態となり、その後の伸びを欠くというパターンがしばしば見受けられます。2回目に0.7を割り込んだ足も同様に長い陰線で頑張りすぎ、しかも終値では0.7の上まで跳ね返り、長い下ヒゲ付きの足。その後は反発。

このような場合は、無理をせず、戻りを待つという行動が有効と考えられます。

一回目の0.7割れの後の動きを見ると、豪ドルは安値を更新できず、下げ渋る状態、2本後の足では急反発となっています。落ち着いて戻りを待っていれば、エントリーを避け、損失を回避できたかもしれません。エントリーしたとしても戻りを待ってエントリーすればストップまでの距離が短縮でき、損失を軽減することができました。

節目の割り方でその後の伸びが期待しやすいのは、節目均衡でもみ合いがしばらく続く、一度または数回跳ね返した後、再度、割りに行くパターンとなり、反対のポジション保有者が諦め、ポジションを放り出しそうな状態となった時となります。

今後、または過去のチャートで節目と思われるラインに接近した場面での値動きを観察してみると、今後のトレードの参考になるかもしれません。


今週の注目通貨ペア


先週の教訓も踏まえて今週はポンドドルの動きに注目してみたいと思います。

まずは週足で大きな流れを見ると下降トレンドからの反発途中ですが、十字線が出現し、反発一服の可能性が出てきています。
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少し拡大して日足チャートを確認すると保ち合い状態となり、完全に方向感を欠いてる状況となっています。

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さらに細かく4時間足で見てみると、先週から1.435-1.467付近を上下とし、1.44-1.46付近をコアなレンジとした推移が続いているのか確認できます。このコアレンジを抜けると方向感が出始め、1.435-1.467をしっかりと抜けると完全に方向感が出てきそうな状態となっています。

スクリーンショット 2016-02-15 12.38.44先週の節目に接近した際の動きなども参考にしながら、どちらに抜け、そして、どのような動きとなるのか見守りながら方向感を探ってみましょう。

答えは来週の「今週の見どころ」で・・・。

 

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佐藤 甲
OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。彼女募集中。 日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト
佐藤 甲

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